>>血圧が下がった本当の方法は こちら<<
胆石症の治療
胆石症の治療について詳しくみていきましょう。
胆嚢結石
胆嚢結石の治療の原則は、
「症状の有無と胆嚢の機能の有無」
で決められます。
a.症状がある胆石(有症状胆石)の場合
・胆嚢温存療法
胆嚢の機能が保たれ、大きさが1cm以下で石灰化がない結石(胆石症全体の10%程度)の場合は、経口胆石溶解療法が標準治療となります。
50〜70%に溶解効果があります。
まず、ウルソデオキシコール酸(1日600mg)を6カ月間服用し、効果のみられる場合は治療を継続します。
溶解が困難でも発作や急性胆嚢炎の発症が抑制できるため、高齢者や手術の危険性が高い場合や手術を希望しない場合は、長期の服用が有効といわれています。
胆石の再発は25%に認めます。
また、2cm以下、単発のコレステロール石で胆嚢収縮能の良好な胆石は、体外衝撃波胆石破砕術(はさいじゅつ)(高周波数の音波で胆石を砕く)と経口胆石溶解療法の併用で66〜82%の治療効果が得られますが、この設備を備えている医療機関は限られています。
この治療後の胆石の再発率は、5年で30%です。
・胆嚢摘出療法
胆嚢の機能がない場合や溶解療法が無効な場合、あるいは長期の服薬に耐えられない場合は、胆嚢を切り取る手術を行います。
現在では、腹腔鏡(ふくくうきょう)下胆嚢摘出術が標準治療で、これが困難と考えられる時は、開腹胆嚢摘出術(おなかを大きく切る)を行います。
腹腔鏡下胆嚢摘出術は、おなかに小さな穴を4カ所あけて、腹腔鏡というカメラでおなかのなかを見ながら、細長い鉗子(かんし)や電気メスを使って胆嚢を取り除く手術です。
全身麻酔で行いますが、手術後の痛みもほとんどなく、また入院期間もわずかですみ、退院後すぐに日常生活にもどることができます。
手術の合併症については、胆管損傷が0・69%と開腹術よりも高率です。
このほかに、数は少ないものの血管損傷や腸管損傷などがあり、死亡率は0・01%となっています。
しかし、経験を積んだ施設では、ほとんど合併症は起こらなくなっています。
b.症状がない胆石(無症状胆石)の場合
胆石はあるのに、これまで典型的な胆石発作を起こしたことがないものを無症状胆石といいます。
人間ドックや集団検診で発見される胆石の50〜70%は無症状胆石で、少数個の大きな黒色石が多いといわれています。
無症状胆石の有症状化(症状が現れる)率は年平均1〜2%と低く、さらに無症状胆石から胆嚢がんが発生する率も1・1%と低率です。
無症状の胆嚢結石は原則として、年に1〜2回の腹部超音波検査で経過観察を行います。
しかし、無症状であっても胆嚢に石が充満していたり、胆嚢壁が肥厚していたり、胆嚢がんを伴いやすい先天性の合流異常がある場合は手術を行うことになります。
胆管結石
胆管結石の治療は、結石を取り除くことが原則で、
- 内視鏡的乳頭括約筋(にゅうとうかつやくきん)
- 切開術(EST)
- 内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)
などの内視鏡的治療が標準治療となっています。
高度の技術と経験のある施設では、ESTによる結石除去の成功率は90%と良好ですが、合併症として出血や急性膵炎、胆嚢炎、穿孔(せんこう)(孔(あな)があく)などの前期合併症が5〜15%に起こり、まれですが手技に伴う死亡例もあります。
ESTは、胆管の出口の乳頭括約筋を切開して石を取り出すために、胆汁の流れを調整する乳頭機能が失われる欠点があります。
EPBDは、バルーン(風船)で乳頭部を広げるので乳頭機能が温存されるという利点があり、肝硬変などで血が止まりにくい人や、胃の手術後などでESTが困難な場合でも結石を取り除くことが可能です。
しかし、大きな石を取り除くには、ESTよりも熟練と回数を要し、また乳頭の機能低下も報告されています。
石を取り除ける割合や合併症を、ESTとEPBDで比べると、ESTが優れているとの報告もみられますが、長期の経過に関しては結論が出ていません。
内視鏡治療で除去できない結石や乳頭機能の温存が必要な場合には、手術療法を行います。
胆管を切開して石を取り出して、胆管を縫い合わせる手術(胆管切石術)を行います。
日本では、胆管結石患者の半数以上が開腹術を受けています。
胆管結石手術例の結石再発率は1・6%であり、ESTの再発率(10〜20%)と比較すると明らかに低率であることから、乳頭機能の温存は重要です。
乳頭機能の温存と手術の負担を減らす腹腔鏡下胆管切開術が理想的な手技ですが、技術的に難しく、まだ標準手術とはなっていません。
>>コレステロールも血糖値ももう怖くない!世界が認めた白井田七<<